地域: 城南 記録者: きしやん (登録日: 2015/09/24 更新日: 2019/07/04)
今年はとりわけ猛暑だったにもかかわらず暦通りに咲いてくれました。桜はその年の気温に開花が左右されますが、梅と彼岸花はタイマーが内蔵されてるんじゃないかと思えるほど正確です。稲刈りが終わってしばらくすると「アンタ今までどこにいたの?」と聞きたくなるほど、忽然とあぜ道を赤く染める彼岸花。ネットで調べるとなんと1日に10センチほども茎が伸びて1週間もすれば開花するとか。この驚異的なスピードで周りの景色を一変させてしまうところが、子供心に「この花、なんだか不気味だなあ〜、なんか妖しいなあ〜」と感じました。別名で死人花(しびとばな)とか地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)とか散々な呼ばれ方をされてますが、良心的な?ところでは曼珠沙華(まんじしゃげ)が一般的でしょうか。 全草が毒でとりわけ球根は食べると、少しでも致死量だとか。そのせいか万葉集などの古典文学には彼岸花はほとんど登場してないそうで、江戸時代になってようやく季語として詠まれるほどだったそうです。その頃より墓地や田圃の畦、土手などに植えて害獣&除草剤&土留め効果対策としてたというから、超有用植物として脚光を?浴び始めたということでしょうか。そして何度か日本を襲った飢饉では、最後に彼岸花の球根を食べて飢えをしのいだという記述があります。 って、それは猛毒だったんじゃ???彼岸花の毒の主成分はリコリンという植物アルカロイド水溶性で、何度も水に晒すとデンプン質のみが残り、絶好のサバイバル食になるとか。しかも米は経年劣化は避けられないが、こちらは乾燥すれば数年は保つ。「毒だから触ってはいけない」と言い伝えて、不慮の災害の日まで温存して、いざ飢饉のときは人々の命の糧となる。まさにパーフェクトプランツ!!
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